現在のチェコの代表的な映画のジャンルは、SF映画ではありません。その理由は観 客にそんなに求められていないこと、そのような映画を作ることは高くつくことな どでしょう。しかし、以前はサイエンス・フィクションをモチーフにした映画はか なり多かったものです。そのジャンルの先駆者はカレル・ゼマン(Karel Zeman)と いうチェコの有名な映画監督だったに違いありませんが、1960年代と1970年代にだ んだん観客に人気を得て、大量に作られ始めました。当時新しくて、ユニークなジ ャンルの「SFコメディ映画」が生まれました。これから最も有名で、成功した映画 作品を紹介します。
「Zítra vstanu a opařím se čajem」
監督:オルドリッチ・リプスキー(Oldřich Lipský)、1977年
人は「ウニヴェルズム」という新しくできた旅行社のおかげで過去への旅行ができ ます。何人かのネオナチはその機会を利用します。ナチス・ドイツへ行って、ヒト ラーが戦争に勝つのを手伝うつもりです。悪人の中に旅行社の社員が一人いるの で、全て上手く行くようだったが、ある日にその社員はロフリークで窒息してしま います。彼にそっくりの双子が兄のふりをしますが、ネオナチの計画についてぜん ぜん知りません・・・
「Což takhle dát si špenát」
監督:ヴァーツラフ・ヴォルリーチェク(Václav Vorlíček)、1977年
この映画の主人公はゼマーネク(Zemánek)とリシュカ(Liška)という二人の犯人で す。その二人は刑務所から釈放された後、すぐ別の犯罪を犯すつもりでした。今度 は有名なホテルにある美容院の持ち主のネツシル(Netušil)に窃盗の依頼を持ちかけ られます。ネツシルは年を取った乳牛を若返らせるためのR191という発明されたば かりの機械の動作を調べてもらいたかったのです。その機械によって、年を取った お金持ちの女性にもう一度若くなれることを信じさせて、やっと彼自身お金持ちに なれます。しかしR191が効果的に動作するように、お客さんはホウレンソウを食べ てはいけません。しかし誰でもその一つの条件について知りません・・・
「Adéla ještě nevečeřela」
監督:オルドリッチ・リプスキー(Oldřich Lipský)、1977年
ニック・カーター(Nick Carter)という優秀な刑事は誰も解決できない難事件を解決 するためプラハに行きます。その事件は不可解な失踪で、プラハに着いてから、失 踪しているのはある伯爵夫人の犬だと知ります。プラハからの警察官のレヅヴィナ (Ledvina)はカーターを手伝ってくれるように、プラハにある有名なパブにカータ ーを連れて行って、そのようにチェコ人の精神を紹介してくれます。一緒にいろい ろな面白い発明を使いながら、男爵のフォン・クラツマル(von Kratzmar)を捕らえ ようとします。結局解決できない失踪についての真実を知るでしょうか・・・
「Kdo chce zabít Jessii」
監督:ヴァーツラフ・ヴォルリーチェク(Václav Vorlíček)、1966年
これはチェコの映画の中で本当にユニークな作品です。映画とコミックを兼ねてい ますから。主人公はインドジフ・ベラーネク(Jindřich Beránek)というエンジニア です。奥さんの研究者は楽しくない夢、つまり悪夢を取り除く方法を発明します。 しかしその夢は消えないで、一方現実になるのに気がつきません。それで結局イン ドジフの夢からのコミックの人物、ジェシイー・スーパーマン・ガンファイター、 が現実のものとなってしまう・・・
「Tajemství hradu v Karpatech」
監督:オルドリッチ・リプスキー(Oldřich Lipský)、1981年
伯爵のテレケ(Teleke)はカルパティア山脈を旅行しながら、不思議なお城について の話を聞いてもらいます。そのお城の中からオペラ歌手のすばらしい歌声がよく聞 こえます。でも無理ぐらい入りにくいです。テレケはその歌手についての話を聞い てから、彼の最近亡くしてしまった婚約者、サルサ・ヴェルデ(Salsa Verde)に違い ないと信じます。本当にサルサでしょうか。それとも誰か他の人がお城の秘密を守 りますか・・・
SFコメディ映画は以前に作られたものでも今だに人気があるものがある。発表した 映画のいくつかが一年に何回もテレビで見られて、チェコ人はそのストーリーを暗 記していることもあります。カルト映画になっています。それは本当に面白い作品 は言うまでもなく、チェコ人に特有のユーモアのよい見本です。