「レボボチェク」(Levoboček)とは、昔使われていた庶子という意味の言葉である。「レボボチェク」は、正式な婚姻関係にない両親から生まれた子供のうち、父親に認知された者。非嫡出子ともいう。特に近代以前、歴史上の表現として使われる言葉である。 「レボボチェク」の代わりに他の似ている言葉には、例えば「セブラネツ」(Sebranec)ともっと強いの「パンカルト」(Panchart)と「バスタード」(Bastard)などがある。
「セブラネッツ」
「セブラネッツ」(Sebranec)というのは、元の両親を知らずに育てられた子供である。チェコには「ジクムンド・ウィントル」(Zikmund Winter)の小説を基にした「ロジナ・セブラネッツ」(Rozina Sebranec)という映画がある。「セブラネッツのロジナ」という若い美人の悲しい物語である。ロジナは華も恥じらう女性はさておき、美人薄命のような物語である。より詳しい説明は、ここでは必要ないだろう。興味があれば、昔映画が作られたので、それをご覧頂くことをおすすめする。
「パンカルト」
「パンカルト」(Panchart)あるいは「パルカント」(Parchant)は本当に面白い言葉だと思う。これらの言葉には沢山の異なる意味があり、昔から現代までを通して意味が新たに開発された。現代使われている意味は二つある。
最初の意味は非難の言葉である。例えば誰かの悪役は石を投げ、家の窓を壊したら/家の窓が壊れたら、「お前のパルカント」(Ty parchante!)と言うのである。あまり強くない言葉だが、まだ少しだけ悪い意味をもっているのである。
二番目の意味はタイポグラフィにおいて使われている。例えば本を作っているときに、文章を編集したら新しいページの上に一人で寂しいテキスト行がある状態だ。「パルカント」と言えばもう分かる。ページの終わりに寂しくて一人でテキスト行があれば「ブドワ」(Vdova)と言うのである。一方ページの初めに寂しいテキスト行があれば「シロテック」(Sirotek)と言うのである。「ブドワ」(Vdova)という意味は未亡人で「シロテック」(Sirotek)とは孤児という意味を持っているのである。
昔に時々「パルカント」の代わりに他の言葉、「コプジワーク」(Kopřivák)が使っていました。意味はイラクサに生まれた子供である。それも庶子と関係あるのである。
「バスタード」
「バスタード」(Bastard)というのも「パルカント」と殆ど同じ意味を共有しているのである。フランス語の 「bâtard」(納屋に考案した子供)から派生した言葉である。それ以上沢山他の意味もある。例えば「雑種」「ろくでなし」「あいのこ」。。。等々(多分)。
中世には「バスタード」はそんな悪い意味をもっていなかったそうみたいである。証明は例えばウィリアム1世 (イングランド王)は名前にこれを使っていて「Ego Guillelmus, cognomento bastardus」を呼ばれていた。チェコの歴史にも沢山「バスタード」(笑)が登場する。例えば「ミクラーシュ・オパフスキー」(Mikuláš Opavský)、「ヤン・ボレク」(Jan Volek)、「ヤーノシュ・コルビーン」(Jánoš Korvín)。